ホワイトホースからドーソンシティーへ ②

2日目の朝はリスの鳴き声とキツツキが木を突く音で目を覚ましました。

なんて平和な朝。

お湯を沸かしてお茶を入れ、持ってきたアップルパイやマフィンで朝ごはんを済ました後は今日の目的地ドーソンシティーに向かいます!

ここからドーソンシティーまでは車で約2時間。

この辺りの道路は工事中で道がかなり悪く、路面はコンクリートではなく全て土。

雨もよく降るエリアなので泥沼に近いテクスチャーになっていて、小さな車やセダンだとタイヤがはまって動けなくなったり車が故障することも稀じゃないそう。

幸いおかみの車は車高高めのSUVだったので泥や石にはまってしまうことはなかったんですが、それでもハンドルが何度も取られ、車の裏はガリガリと音を立ててこすられ、車は泥はねと土埃でまっ茶色。

ホワイトホースからドーソンに行くだけでも簡単ではないと実感…。ユーコンを走る車がほぼ100%汚い理由がよく分かりました(失礼)。

ちなみにホワイトホースを過ぎると町らしい町はドーソンシティーまで一切ありません。(衝撃)

そのドーソンシティー、ユーコン準州でホワイトホースの次に大きな町らしいのですが、なんとそれでも人口1400人程(!)

(バンクーバーって小さな街、と思っていた私はなんとなく反省。)

当然車の旅も途中でトイレ休憩が必要になりますが、途中にショッピングモールやスーパーは一切存在しないので85キロ置きぐらいに野外に作られたボットン便所に立ち寄る他チョイスはありません。

最初は抵抗がありましたが、言った通り他にチョイスがないので(か、野ション)、だんだんこのボットン便所があるだけ感謝できるようになってきます。

この時点で自分の成長を感じ始める私。

明日からのトゥームストーンはキャンプサイトにのみトイレは設置されているものの、トイレットペーパーは設置されていないらしい…。(トイレットペーパー持参です)

さて、そうこうしている間にドーソンシティーの看板が道に出始めたのと同時にたくさんの金採掘場と思われるエリアも発見。

前にも書きましたがドーソンシティーは1890年代にゴールドラッシュで一世を風靡した町です。

当時の人口はピーク時で4万人。今とは比べものにならないぐらいとっても大きな“街”だったんですねー。だから名前をドーソン“シティー”と言うそうです。

ピーク時にはユーコン準州の州都になるほど賑わいを見せ、ホワイトホースを上回るユーコン最大の都市でした。

人口が1000人台まで減った今でも金の採掘は盛んで、この辺りはユーコン最大の金採掘メッカ。ユーコンの最大産業は亜鉛、金、銀、銅などの鉱業なのですが、その中でも「ゴールドラッシュ」ユーコンはゴールドで有名。その金採掘のボスの中のボスがドーソンと言ったところでしょうか。

ユーコンに来る前に多少下調べはしていたもののここまで金の採掘が有名だったとは。

どうりでホワイトホース行きの飛行機に屈強な男たちがワンサカいるはずだ。金採掘はかなりいいお金になるらしいですからねぇ。

そこから10分ほど走ってようやっとドーソンシティーに到着!

と、ここでこの辺りで一番安いとウワサの町の入口にあるガソリンスタンドで給油を。

…こんなガソリンスタンド見たこと…あります?

巨大なガソリンタンク
レトロ

給油も終わったところで遂にドーソンの町に突入。

目に飛び込んで来た町の第一印象は「ディズニーランドのテキサス州をイメージしたエリア」そのもの。

まるでシルバニアファミリーのお家みたいなかわいらしい外観のホテルがいっぱい。

ゴールドラッシュの時代だけでなく、今も夏は観光客でごった返す町らしく、この町のサイズにそぐわない数のホテル数。

こちらは町唯一のスーパー

ゴールドラッシュ時にバンバン建てられたであろうホテルや商店がそのままの姿カタチで残されています。

そして町の通りの道路が未舗装という衝撃の事実。コンクリートの道路は一つもなく全て土のまま。信号機ももちろんゼロ。

町を散策する前にとりあえず荷物や車を置きたいので、今夜泊まる予定の宿に荷物をドロップオフしに行きます。

今回泊まるのはこのBunkhouse。

ブッキング.comで町イチ安いホテルだったんですが外観結構キレイでビックリ。

おそらくこのホテルは新しいです。

ドーソンに着いたのが午後1時頃で、チェックインの時間まで部屋には入れない、というのが一般的だと思うのですが、そこはさすがユーコン。

着く直前にホテルの人から直接私の携帯にテキストメッセージが届いていて、君の部屋は○号室で鍵空いてるから勝手に入ってね~とのお達し。

ゆるい!

メッセージ通り部屋の鍵は開いていて、ドアを開けると目の前の小さなテーブルの上に部屋の鍵とWi-Fiパスワードなどが書かれたクレジットカードの領収書が。

ゆるい!

直接ホテルの人に会わずにもう既にチェックインしたって事ね。

でも最安ルームにしては部屋がとても綺麗で田舎あるあるの花柄ベッドカバーということもなくシンプルにまとめられた部屋で、モーテルあるあるのカビ臭さも全くなく清潔感に溢れていてとても気に入りました。

めっちゃ狭いですが、快適な部屋。

最安なのでトイレとシャワーは部屋についておらず外に出たところにシェア用のトイレ、シャワーがあるのですが、このシェア用のトイレもシャワーもそれぞれ部屋番号が書かれていて、他の部屋の人と直接同じ所をシェアしなくていい仕組みになっているイキな計らい。

感動!こんなシェアバスルーム見たことありません。

ちなみにホテルの人からのメッセージで「プラス$30でトイレとシャワーが付いている部屋にアップグレードできます」と来たので、ホテルの人を呼び出し(おそらくめちゃくちゃ近くに住んでいる方で3分で登場)部屋を見せてもらったんですが、トイレシャワー付きの部屋は日当たりが悪い側だったのと、次の日トゥームストーンに行くのにだいぶ早起きの予定で「寝るだけ」の宿泊ということもあり、迷いましたがこの日は最安の部屋をそのままキープすることにして、トゥームストーンから戻ってきたら疲れてるだろうしトイレ付きの部屋に泊まろうと心に決めました。

ルンルン気分で荷物を全て部屋に下ろし、遅めのランチを食べに町に繰り出してみました。

実際町を歩いてみると車の中から眺めていた景色どおり全ての建物がレトロで1990年辺りから時が止まっている印象。

この町の人口がたった1400人ほどなのもビックリですが、ここがホワイトホースに次ぐユーコン準州の第二の都市(都市ではないですが)というのはもっとビックリ。

ユーコン…。どんだけ小さい規模の州なんだ…。

ただ田舎なだけあって、ユーコンの人たちは本当に優しい。

嫌な印象の人には一人にも会っていないし、困っている人がいたらたとえ知らない人でも一生懸命助けてあげようとしてくれる素晴らしいハートの持ち主だらけ。

実際今回おかみが2つ持っきてくれるはずだったスリーピングパッドをうっかり1つ忘れてしまってドーソンに着いてから誰かに借りないと明日トゥームストーンに行けない!という大惨事が発生。

ドーソンに知り合いは一人もいないおかみでしたが、知り合いがいるお友達が私たちと繋げてくれて、その方の同僚から(ここでも本人ではなく、その同僚から)借りることができました。

言ってみれば全く知らない人に自分の所有物を数日間貸す、ということがユーコン州ではフツーにあるらしく(期待したり、甘えてはいけませんが…)、人の温かさと、自分の心の狭さを感じずにはいられませんでした。

と、感動しているところで本日のレストランに到着。

今回ランチでトライするのはトリプルJホテルにあるレストラン(名前は多分”レストラン”)。

なんせ、この町、レストランはほぼ全てホテルの中にしかないという、なんとも不思議な作りでありまして。

レストランが路上に独立してあることはなく、全てホテルの一階に併設されているので、誰にお勧めを聞いても、〇〇ホテルのレストランか〇〇ホテルかなー、みたいな回答。

このトリプルJもホテルのお兄ちゃんがここのバーガーが個人的に一番好きと豪語していたので行ってみることに。

余談ですが、ホテルのお兄ちゃんはずっと”トリプルチェ”と発音していてなんという名前のホテルか全く聞き取れなかったんですが、一生懸命”Like 3″と”チェ。チェ。Like Japan”を交互に説明。ようやっとTriple J?と判明しました。Jをチェと発音するのはどこの言語の人なのか未だに気になります。

こちらがトリプルJホテル

ハンバーガーが美味しいというウワサにしては種類が4種類ぐらいしかなかったんですが、その中でも特に気になったスパイシーホットチキンバーガー的なものを注文。

現れたのがこちら

デデーンとビッグに登場。

カツがでかすぎてパンが見えません。

付け合わせはサラダかフライドポテトが選べるんですが、旅中は野菜不足なのでサラダをチョイス。付け合わせにしてはすごい量。

バーガーが大きすぎて食べるの大変だったんですが落とさないようにガブリとかぶりついたところ…

うま〜〜〜!

なにこれめっちゃ美味しい!

カツはサクサクだし、味付けもしっかりされていて、一口食べるごとに美味しいと唸る。

まさかユーコンの片田舎でこんな美味しいハンバーガーが食べられるなんて…。(普段ハンバーガー食べないんで、久々すぎて余計美味しく感じた可能性はあります。)

おかみが頼んでいたトリプルJバーガー(フツーの分厚いパティーのチーズバーガー)も美味しかったようで、ここのレストラン要チェックだねーと満たされたお腹で意気揚々と店を出ました。

店を出た後は町散策です。

トリプルJを出てすぐ発見したのが、この町のカジノ的存在Dimond Tooth Gerties。

ここで本格的なカンカンショー(ヒラヒラのドレスをまとった女性たちが一斉に足を上げたりして踊るやつ。宝塚全員で踊るみたいなショー)が繰り広げられているらしく、地元の人たちはもちろん、観光客の人からも大人気だそう。

ちょっと見てみたかったんですが、明日の朝は5時起きなので今回は見送りです。

町の銀行。レトロ。

と言っても他に一体なにをしたらいいのか、この小さい町で…。と思っていると、ユーコンらしくゴールドを売っているお店を発見。

一番左のNuggetと書いてあるのがゴールド屋さん
裏通りはこんな感じ

お店に入るとその外観と同じく中もかなりレトロで、昔ながらのショーケースに金のアクセサリーがずらり。

まず初めに私を迎えてくれたショーケースがこちら

1898年ゴールドラッシュ時代の地図

場所別で採掘される金の違いを示しているんでしょうか。(写真三枚目、一番右下の採掘場所が明日行くトゥームストーンですね!)

全く何も買うつもりはなく、冷やかしで入っただけ(失礼)だったんですが、興味本位でピアスを見せてもらうと、意外なまでに手が届く範囲の値段で、びっくり。

食いつきっぷり
ピアス$50から

普通ゴールドってこれぐらい小さいピアスでも$100はすると思うんですが、半額近い値に驚いて、思わず働いているお姉さんに「すごく安くないですか?フツーですか?」と聞いてみたところ、「うーん。。。どうだろう。。安い店もあれば高い店もあるんじゃないかなー。あたし詳しくないからよく分かんない」と、おそらく店主の娘さんが店番を任されてるだけであろう回答。

うーん、あたしもよく分かんないけど、せっかく金の本場に来たんだし、一個買って帰ろう!

と、一番安い$50を購入。

※後日ホワイトホースに戻った時に街にあるゴールド屋さんに行ったところやっぱり値段がここの倍ぐらいしてました。多分バンクーバーで同じクオリティーのものを買ったらさらにもっと高いはず。買っといてよかった〜

まさか自分がユーコンでゴールドのピアスを買うとは夢にも思いませんでしたが、これで明日からのバックパッキングに華が添えられるってもんです。

ルンルン気分で店を出たあとはドーソンシティーの反対側(対岸)のウェストドーソンに行ってみることに。

ウェストドーソンに行くにはユーコンリバーを渡らないといけないんですが、橋がかかっていないので、20分おきぐらいに来る車両専用の船みたいなもので車ごと川を渡ります。

これがなんと無料。

良心的な町ドーソンシティー。

ここがその船乗りば。奥に見える白い乗り物が船。かなりちっちゃい。
川を渡っている様子。車の外には出れません。

川幅が全然ないみたいでわずか3分ほどのライドで到着。

こんなに短い距離なら橋作っちゃった方が安くあがらないのかなぁ。

ウェストドーソンに行ってみようとしたのは高台になっていてドーソンの町を一望できるから。一応観光っぽいことをしてみようかと。

こちらがその眺望

こうして見ると、一応町ですね!

その町の後ろにそびえる山々がなんとも美しい。ここでオーロラ見れたら最高なんだろうなぁと思いを馳せたところで最大の眠気が襲来。

昨日は久々のキャンプでやはりしっかり眠れなかった模様。

今日の夜頑張ってちょっと起きてオーロラ観に行こうと思っていたので今は宿に戻ってパッキングしてもう寝よう。眠い。

となり、来た道をソッコーで戻りドーソン観光は終了。

※この日の夜のオーロラは曇り空と眠気で拝むことはできず。(ちゃんと開けたところまで出ていたら見れてた可能性大。眠気に勝てず断念)

明日はいよいよ今回の大一番、バックパッキングに挑みます!

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