ついにこの日がやって来ました。
ユーコンに向かいます。
ユーコンの州都ホワイトホースまではバンクーバーから飛行機で2時間。
このコロナ渦で飛行機には乗りたくなかったのですが、ホワイトホースまでは車で約30時間もかかり、さらにそこから次の目的地ドーソンシティーまでは7時間運転することになるので、ここは意を決して飛行機をチョイス。
前日の夜は飛行機に乗ることよりもバックパック旅への不安でなかなか寝付けず朝起きるのが辛かったです。
小心者の私は早起きしないといけない前日やイベントの前はいつも大概眠れなく、ウィスラーに行く前日なんかは絶対眠れないんです…。前回のウィスラーハイキングの前日も寝ては起きを繰り返していました…。
そんなことはさておき、出発の日はドキドキしながら7ヶ月ぶりのバンクーバー空港へ到着。一体空港の中は今どうなっているんでしょ。
旅行が思うようにできない今、一体どれだけの人が空港にいるのか…。
案の定国際線方面はガラガラで、見受けられるのは各エアラインのスタッフのみ。国内線もなかなかのガラガラっぷりで、今回私が乗るAir Northも人っ子一人並んでいませんでした。
ガラガラのエアノースで荷物のチェックインを済ませ、いざチケット発行のタイミングでスタッフの人に「あなたビクトリアゴールドに行く?」と聞かれ、「え?え?ビクトリア?」と戸惑っていると、「分かんないならなんでもない」と振り切られました。
それと同時に隣のカウンターで「ビクトリアゴールド?」と同じ質問をされていたガタイのいい男の人は「そうそう」と即答。見れば手荷物を何も持っておらず身体一つで乗り込んできた様子。
一体なんなんだろうビクトリアなんとかってー…とぼんやり考えながらそのおじさんとほぼ一緒にセキュリティに進みます。
セキュリティに入る手間に“Stand Here”というサインが足元に貼ってあり、その上に立たされます。その2メートル先にはコンピューターの前に座る係の人が。
どうやらなんかのセンサーで体温とかを測ってる仕組みっぽく、ここで熱がある人はおそらくセキュリティーに進めないんでしょうね。
おじちゃんも私も熱がなかったらしく無事にセキュリティーチェックに進みます。
中はビックリするぐらい誰もいません。こんなに空いているセキュリティチェックは初めてです。
おじちゃんは荷物なしなので手ぶらでセキュリティーゲートへ。
ゲートをくぐった瞬間にピーっと鳴っていました。「あれ、おじちゃんなんか金属持ってんの?」と思いながら私も後を追ってゲートにくぐった瞬間”ピー!“
えー何もないけどー金属。なんでー!?
二人並んでコットンで身体の一部をこすられそれを機械にかけられました。どうやら麻薬検査だったみたいで、恐らく全員無条件で検査してますね。
二人とも麻薬検査も合格していよいよ自由の身です。
ここでふと我に返りガラガラのセキュリティを写真に収めます。
歩き始めた私がまず最初に見たのはぐるぐるにテープを巻かれた水飲み場。持ってきたタンブラーに水を入れて機内で飲もうと思っていたのに早くもその夢は崩れ落ちます。
コロナめ。
ゲートに進む道も本当にどこもガラガラで、レストランもクローズ。すれ違う人は大概係員で旅行者らしき人たちはほとんど見受けられません。
こりゃあたしが乗る飛行機もガラガラだな!とホッと一安心しようとした次の瞬間!
目に飛び込んで来たのは人で溢れかえる18番ゲート。
まさに私が乗るホワイトホース行きやんけー!
このゲートだけ他とは比べものにならない程賑わっていました…。
「なんでみんなホワイトホース行くのよー(涙)」
自分もその一人だということは棚に上げうなだれる私。
まぁ、でもここでウダウダ言ってても何も変わらないので全然いいんですけど!
それだけホワイトホースは安全ってことだな。と切り替えも早い私。
でもなんでまたみんなホワイトホース行くんだろ、と疑問に感じ、辺りを見渡すとさっきのおじちゃんとほぼ同じような出で立ちの屈強なおじちゃんたちだらけということに気づきました。
ん?何があるの、ホワイトホースに。と思っていると「ビクトリアゴールドになんだらかんだらの~」とアナウンスが流れ始めました。
わかった。多分ビクトリアゴールドってゴールドを採掘するところじゃね?そしてこのおじちゃんたちはそれを掘る人たちなんじゃないの!?
そっか、じゃあお仕事でホワイトホースに行かないといけない人たちで混んでるのね、このフライトだけ。
ピンピンピン!となんとなく物事が繋がりました。
そういえばドーソンシティーを調べた時に昔はゴールドラッシュで町がめちゃくちゃ栄えていたって書いてあった気がする!
もしかしてこの人たちの家はバンクーバーだけど出稼ぎでしょっちゅうホワイトホースに行ってるってことなのかしら。
大変だなぁ、家族がいるだろうに。一体何日間ステイするんだろう、と余計な心配をしている間にボーディングが始まりました。
ゴールド関係の男たちは違う列に並んで搭乗させられていて、この列だけ係の人が熱計ってました。
無事機内へ乗り込み、コロナ対策のために持って来たLysol Wipeで自分の席、肘掛け、シートベルトやテーブルなど全て拭き取ります。
みんな絶対やるものかと思いきや意外と誰もやってない…気にならないのかな、みんな…。
かなり古い機種みたいでレトロな見た目のエアコン。
本当に3分ごとに空気入れ替え出来るのかなー、この飛行機ーと不安がよぎります。
横3席あるうち真ん中の席は全て空けてくれたAir Northですがほぼ満席状態。ここでコロナをもらわないよう祈るしかありません。。
バンクーバー空港を飛び立って北に進むとすぐ見える景色が山山山。バンクーバーの北側ってこんなに山だらけだったのね。
なぜかサービスがめちゃくちゃいいで有名なAir Northはたかが2時間のフライトの間にもドリンク二回とホットサンドイッチを出してくれる優良エアライン。
ただ今回はコロナ期間中なので衛生に憂慮してちっちゃいボトルの水とオレオやチョコなどのスナックのみでした。それだけでも本当にありがたい!他のエアラインはどんな風にしてるんですかねー。
機内でこのブログを1時間半ほど書いているうちにアナウンスが流れてもう着陸態勢。本当に2時間のフライトってあっという間です。
気づけば外の景色がかなりユーコン風に!
隣の家の感覚広め。さすが田舎!
そしてユーコンリバーらしき川がうねうね。
着陸する直前に見えた湖がめちゃくちゃキレイで、後から友達に聞いたら“エメラルドレイク“という湖らしく、
天気のいい日はこんなにエメラルド!
ホワイトホースの街から車で1時間半ほどの距離らしいので、これは是非行ってみたいですねー。
エメラルドレイクを拝んだ直後、無事着陸が成功しホワイトホース空港に到着。
カリブーのオス同士がケンカしてる剥製がお出迎え。
オスのカリブーはメスを巡って喧嘩し、奇しくもお互いの角が絡まって取れず、二頭とも動けないまま何日も過ごし命を落とすことがあるそう。
小さい空港ですが、一応小さなカスタム窓口があります。
前回来た時はその窓口には誰もいなかったのですが、今回はコロナ問題があるので、住んでいる州のドライバーズライセンスの提示と、ここ14日間でBC、ノースウェスト、ヌナバット以外のどの州にも行っていないかの確認を厳重にも二人のお姉さん係員に二回されて無事カスタムを通過。
ここユーコン準州で発生したコロナ件数は合計15件のみ。そしてその15件の患者さんは全員回復しているので、アクティブケースはここ数ヶ月ゼロのまま。
現在進行形の患者はいないにしてもウイルスが再びユーコン内に入って来ちゃうと医療崩壊が起きかねない小さな州なので厳重な水際対策が行われています。
さてカリブーの剥製があるベルトコンベアーから荷物をピックアップしていよいよ空港の外に出ます。
寒。現在の気温12度。
わー、ついに来ちゃいました、ユーコン!(二回目)。これから始まるユーコン旅に心が踊ります。
乞うご期待!