今日は美容師っぽく紫シャンプーについてお話ししたいと思います。
紫シャンプーはムラシャンとも呼ばれ、ブリーチ後に色が抜けて黄色くなっていくのを防ぐシャンプーのことです。シャンプー液がま紫で、初めて使う人はビックリしますね。
でもそもそもなんで紫なのかと言うと。。。
この表で見れば分かるように黄色の反対色は紫ですよね?
ブリーチやハイライトなどをして黄色っぽく明るくなりすぎた髪に補色である紫をのせると黄色を打ち消してくれる効果があります。その紫色の色素をシャンプーに混ぜたものがムラシャンで、これで何回か洗っていくうちにギラギラした黄色が取れてキレイな色になっていくという仕組みなんですが…
このムラシャン、どれでもいいわけではなく。物によってかなり良し悪しが分かれます。
基本的にドラッグストアーに売ってる紫シャンプーは効果がかなり薄いのでやめておいた方が無難。
カナダに来てから10本ぐらい違うメーカーの物を試しましたが、
今一番のお気に入りはFanola No Yellow ShampooとMask。
※ちなみに日本で輸入品としてメインで売られているのは白いボトルに紫のラインが入ってるやつだと思うんですが、あれは元祖のもので特に洗い上がりなどは考慮してなかったっぽく、洗うと髪けっこうギシギシになります。ただAmazonだとこの白ボトルの方が遥かに安いです。美容室で売られてる値段よりもずっと安いので正直Amazonで買ったらいいと思います。
なんと1リットルで$29という破格の値段。。。
しかしながらボトル全体が紫のニューバージョンはビーガン仕様になっておりサルフェートとか有害と言われているものは入っていません。ギシギシ感がなくなり使い心地アップ!
同じメーカーからNo Orange Shampooという、紫ではなく青色の色素が入った物も出てますが、No Yellowの方が色素が濃く入っているので黄色を取る力が強く、クール系の色味をキープしたい方はNo Yellowの方がオススメ。何回か使ううちにオレンジ味、黄色味が取れて結構アッシュになっていきます。
じゃあなんの為にNo Orange Shampooが存在するのかというと……
No Yellow と No Orange の違い
No Orangeは補色を入れるというよりかは金髪をくすませずにキレイなブロンドのまま保ちたい人にオススメです。
ブロンドって放っておくと紫外線とかの影響だけでもどんどん黄ばんでくるんですよね。それこそ白人さんの髪は一回のブリーチでかなり白くなるんですが、寒色系のブロンドにはあんまりしたくないけど黄色っぽいのは防ぎたい人用って感じですね。
No Yellowだと白い髪は薄く紫の色素がついたり、黄色味が取れすぎて白になってしまう場合もあるので、そういうのを避けたい人はNo Orangeです。
と、ここまで見るととってもいい感じの紫シャンプーなんですが、(実際いいんですが)、が!
白人さんの白っぽいブロンドはそりゃあ一回のムラシャンでキレイなシルバーになるよね。だって基本的に彼らの髪には最初っから黄色味とかオレンジ味あんまりないんですもん。
アジア人の髪は一回のブリーチでマックス明るくなったとしてもピカチュウの黄色が限界。
たいていの場合はピカチュウにもならずにオレンジ寄りの黄色になります。
この
”ブリーチでどこまでキレイに明るくなるか”
がその後にのせるカラーの明暗を分けると言っても過言ではありません。オレンジや黄色が残っている状態でカラーをのせてもそれらの色が邪魔をして希望の色にならない場合があるからです。
例えて言うならば、白い紙に絵の具をのせるのと、黄色い紙やオレンジの紙に絵の具のせたらどっちがキレイに発色して見えますか?
当然白ですよね。黄色やオレンジの上に絵の具をのせても濁って見えたり違う色に発色して見えます。
この”黄色を取ってキレイな金髪にする”作業を私たち美容師は紫シャンプーを駆使したりしなかったりして、後にするカラーにうまくバトンを繋げようと奮闘します。
が!
明るくなりにくい髪や黒染めの歴史がある髪だと一回ブリーチしただけではオレンジっぽくなってしまう場合が多々あり、どんなにいいムラシャン使ってもそれだけで色をキレイにするには限界がありました。なんせブリーチしても黄色って言えるほど明るくないんで、ムラシャンの効果がなかなか出ない…
そんな時に!
絶対保存版の最強ムラシャン見つけました。
原理は市場に出回っているムラシャンと同じなんですが、その色素の配合がおそらく通常のムラシャンの3倍ぐらい入ってるんです。さらにはPhが酸性なので酸性カラー、つまりヘアマニキュアに近いです。そう。ほぼほぼカラー剤で髪を洗ってるみたいなもんです。
それがこちら!
Water Colors Intense Shampooです。
Intenseていうだけあって本当にかなりの色素が入っていて、例えば間違ってWater Color Intenseの青を白人さんとかのまっ金髪で使っちゃった日にはパンクロックな青の出来上がりです。
これはピンクを使ったらこうなったっていう写真ですね。これ、嘘ではなく、見ての通り白人さんの髪にはいとも簡単に色が付きます。
また白人向けかよ…と思ったそこのあなた。
これアジア人の髪にとっても使えるんです。
先ほども言った通り、オレンジっぽく抜けてしまったライトブラウンな髪にも青シャンプーを薄めて使えばなんとなくオレンジが取れてニュートラルでちょこっとアッシュ寄りのブラウンになるし、「ブリーチしてカラーした時はキレイな色だったけど色が抜けてオレンジっぽくなってきちゃった」とか「まだそんなに汚い色にはなってないけど抜けてしまった色をもう一度足したい」なんてお客様にシルバーやスティール(グレー)、ブルー系がかなり使えます、このシャンプー。
例えばブリーチしていなくて普通のブラウンカラーをしている髪も、元々の髪色が黒めのアジア髪だとどうしてもオレンジ寄りの茶色に日々変化していきます。例えアッシュっぽい茶色に染めてもらった場合でもです。
そんな時はこの青シャンプーを使うとあら不思議、赤っぽさやオレンジっぽさが取れてクールな茶色に早変わりします。しかもたった一回のシャンプーでです。ただクール系はどうしても暗く見えるので明るさは沈んでしまいますが…
この右側の毛束がWater Colors Intenseの青で一回洗ったもの。くすんでいた金髪が一瞬で緑に!
※毛束がかなりオレンジ黄色だったので青にはならず中間の緑(黄色+青=緑)になりましたが、もっと明るい金髪だったら青になります。
左の毛束はシルバーで一回洗ったものです。なんとなくキレイな(汚い)金髪にはなりましたけどあんまり変わらないですね。
この写真は上の左の毛束をさらにNo Yellow Shampooで一回洗ってみたものです。
ちょっとキレイな白っぽい金髪になりましたね!
と、まぁどの土台になんのカラーシャンプーを使うかによって名案は分かれるんですが、アジア人の茶色〜明るい茶色の髪で「このオレンジっぽくなってきたの嫌だ」と思っている方々にはぜひインテンスシャンプー(オレンジを消したいなら青)使ってみてほしいです。
オレンジっぽい色味が取れてなんとなくアッシュよりの茶色になります。
自分で市販のカラー剤を買ってカラーするのは大変だし、髪も傷むし、大抵うまくできないし、と美容師の立場からしても全くおすすめできませんが、シャンプーで手軽に色味を調整できるのはとってもありがたい!
特にブリーチ後のキンキンに色が抜けてしまった髪をまたカラーしてもらうのに何度も美容室に通うのは金銭的にも厳しいので、No Yellow Shampooもしかり、こういう類のシャンプーがあると美容師の仕事は減るかもしれないけどお客さんの立場からしたら助かりますよね〜
ただ、Water〜の方は本当にインテンスなのでテキトーに使っちゃうとムラになる危険性はあります。
自分でカラーするよりは簡単だけど(市販のカラー剤を使っての自宅カラーはできれば本当にやめてほしい)割とそれに近いところがあり危険なシャンプーではあるのですが、ムラにならないよう、オレンジを消したい部分全てにまんべんなく泡が行き渡るようにシャンプーできればオッケーです。不安な場合は髪に直接つけず、一般的なシャンプーと混ぜて色味をマイルドにして泡立ててからその泡を少しずつ髪に乗せるように。
※ちなみに泡もめちゃ色ついてるので浴槽、タイルも染まりがちです。すぐ拭き取れば大丈夫ですが爪は若干染まります。
このシャンプーのすごいところは一回シャンプーして色がついたら何日も持つところです。
私も紫っぽい色を足したいときにライラックを使っていますが2週間にいっぺんとかしか使いません。
使いすぎるとさすがのアジア人の髪もほんのりどころか気づいたら紫になるので注意しましょう。
でもそれぐらい強力で、かつ使う頻度が少ないので経済的にも優しい。
うちのお店ではVegan Type No Yellow Shampoo, Mask 各$40
Water Colors Intense Shampoo $32の
で販売してます。
特にWater Colors Intense Shampooが毎日飛ぶように売れております。
オンブレやバリヤージュをしたブリーチ毛の方にはWater Colorのシルバーがオススメ。
カラーが落ちた後も黄ばみを防いで寒色系のブロンドカラーを保ってくれます。
興味がある方はぜひお試しあれ〜
One thought on “すごい紫シャンプー見っけ! No Yellow & Water Color Intense Shampoo”