ちなみに私が担当しているお客様の90%は日本人以外の外国人とカナダ人です。
そんな私が感じた海外(バンクーバー)のサロンのお客様あるある
- 髪に対する知識がほぼゼロ
- 時間に遅れて来るのは日常茶飯事
- 朝起きたらヘアカタの髪型になってると思っている
- 自分より長い毛の写真を持ってくる
- プロとしての意見をめちゃくちゃ求めてくる
- 初めて入るお客さんでも信頼して全部お任せしてくる人が多い
- 私に似合うようにしてくれたらなんでもいい、が口ぐせ
- 自分がどうしたいのか分からない
- 気に入っても気に入らなくても大体いつも感謝の言葉をくれる
- 信頼関係が築けた時には友達にまで発展することが多い
と挙げれば本当にキリがないですが、まぁこんなところです。
もちろんお客様全員が全員これに当てはまるわけではないですが、10年の歴史を振り返ってみてもこれはかなり当てはまっているんじゃないかと。
一番の特徴を挙げるとすれば、
鏡の前の椅子に座った瞬間から美容師を信頼し、カット中もずっとプロの意見を求めてくる
ということです。
What do you think? どう思う?
You know better than me. You're professional. あなたプロでしょ
I'll leave it up to you 任せます
Whatever you think it's the best for me あなたが私に一番似合うと思うようにして
これらの言葉を乱用してきます。
どういうことかと言うと、たとえ初めて出会う美容師さんであったとしても100%に近い数字で信頼し、スタイル提案やプロの意見を求めてくるということです。
日本でももちろんお任せが好きなお客様いると思うんですが、日本にいる数のレベルではありません。
新規のお客様に5人入ったとしたら3人はそんな感じです。
お任せまではいかなくても What do you think? は誰かしらに毎日何度も聞かれる質問です。
海外では思っている以上に相手から意見を求められます。口を開けばWhat do you thinkです。
10年経った今でもお客様からのプレッシャーは常に感じていて、
好きなようにしてって言うけど切ってみて好きじゃなかったらどうしよう、似合わなかったらどうしよう、自分でスタイリングできなかったらどうしよう、と思うことは日常茶飯事。
自分の技術に対して自信がないといけないのはもちろん、お客様の髪型に対して最適なスタイル提案ができることが求められます。
それに反して日本人ほど自分の髪のケアやスタイリングをしないどころか髪に対する知識がほぼゼロなのでスタイル提案は超難関。
つまりは
私に似合う、ドライヤー、スタイリング不要のおしゃれな髪型にしてください
と言ったところです。
日本で働いているときは一通りオーダー通りに切れたらそれで良かったっことが、こっちではそうもいきません。
イエスでもノーでも理由をつけて答えられるようにならないと美容師としての信頼はなかなか得られないかもしれません。
そう、
海外で美容師をする上で必要なことは
- 自分の意見をはっきり持つこと
- 英語が話せなくても自信だけは持つように(技術が伴ってなければ無理ですが)
- 英語が話せなくてもコミュニケーション能力は鍛える(笑ってればオッケーなのは日本だけ)
- 英語が話せなくても小声にならない(自信がないように見える)
- 目を見て話せる
- お客様のバックグラウンドを理解した上でスタイル提案ができる
- もちろん英語が喋れた方がお客様はつきやすい
ニューヨークでは英語が話せないとダメと言われましたが、私は一概にそうも思いません。
そりゃぁ話せた方が働いていても楽しいし、お客様と仲良くなることもできる。もっと分かり合える。
でもそれよりも確かな技術とハートの方がよっぽど大事だと私は思います。
私の後輩の男の子で、英語が全く話せなくてもここで働きたいと思ったニューヨークのサロンに何度も通い、相手が何を言ってるか分からないけど毎日通い、最後には気に入られ働かせてもらった経験のある友達がいます。
彼の英語は本当にほぼゼロ。技術もそこまで上手でもなかったんですが、美容に対する情熱と笑顔と愛嬌が人一倍で俗に言う憎めない存在。
努力も人一倍する子で英語の勉強よりも技術の勉強に没頭。
その後ニューヨークのサロンで出会ったイタリアから働きに来ていたサロンオーナーにうちで働かないかと誘われニューヨークからミラノのサロンに転職。(マジでビビりました)
その後はミラノコレクションやパリコレなどにも参加したりして活躍の場を広げています。
と、これは特殊な例ですが、彼は未だに英語があまりできません笑
それでもここまでいろんな人から信頼されるようになったのは運だけではなかったはず。