はい、前回はコロナ前までの「海外から見た日本」をお届けしました。
今回はコロナが起こってから今に至るまでの海外から見た日本をお届けしたいと思います。
というかコロナに関しての日本に対する海外の視点ですね。
まず、ここカナダが新型コロナによってどれだけの被害を被ったかをお話ししたいと思います。
カナダ全土で今現在感染者は約10万3千人、死亡者数は約8500人です。
この数字に至るまでにどんな経路を辿ってきたのかというと…
カナダ政府は3月の1週目終わりに緊急事態宣言を発表し、それに伴い各州もそれぞれ宣言を出しました。
初めのうちは50人以上の集会の禁止、図書館、映画館の閉鎖などが命じられましたが、日々情報が更新され、その約1週間後にはレストラン、バー、美容室などの閉鎖がほぼ全ての州で発表されました。
基本的に医療従事者や必須事業労働者(スーパー、薬局、工事労働者など)以外全員に家にいるように呼びかけられ、ヨーロッパのような罰金こそなかったものの、日々の運動と買い物以外には外に出ないことが求められました。宣言からほぼ2ヶ月は食料品店、薬局、病院以外は全て閉鎖。
当然カナダとアメリカの国境も早々と閉鎖されました。
この間Social Distancing(対人距離)とStay Homeが合言葉になり、各州政府がこぞってCMまで作り国民全員が協力し合うよう促しました。
ただマスクの着用はこの時になっても勧められず、むしろ「正しく使わないと逆効果になるので勧めない」との見解を国も州も言いまくってました。WHOも発表してましたよね。
それもひとえに医療従事者が使うマスクの不足が懸念されていて、国民がパニックになって買い漁り、医療従事者がマスクを使用できなくなることを恐れて、という理由が背景にあるのは明らかでした。
4月中旬に入りようやく新規感染者減少が見え始め、5月中旬にいよいよ規制緩和の開始を発表します。
その内容は最大6人までの集会の許可、保育園などのチャイルドケア、鍼灸院、マッサージ、美容室などの営業の再開を条件付きで認めるものでした。
6月に入るとレストランやバー、泊まりじゃないキャンプなどは認められ、6月終わりの今現在ではホテルやリゾートの再開、泊まりがけのキャンプなども認められようやく段階的に街が動き始めました。
ここまで見てもわかる通り、2ヶ月に及ぶ厳格なロックダウンの元、頑張って頑張ってウイルスを押さえ込もうとしたカナダですが、感染者数は日本の約5.6倍、死者数は8倍以上…
対して日本はロックダウンもしていなければ、”自粛”という”国民の皆様へのお願い”のみでここまで被害が抑えられているという事実…
ちなみに日本のテレワーク実施率は約25%。これが意味するのは未だに多くの人が朝の通勤電車に乗っているということ。前ほどのすし詰め電車ではないとしても大多数の人が変わらず公共交通機関を使っていますよね。
対するカナダはテレワーク実施率ほぼ50%。半数の人たちがオフィスには行かず家から仕事をしています。その事実も手伝って公共交通機関の乗車率は大幅低下。4月中は乗車率が例年比の10%ほどでした。BC州の主なバスと電車を統括してるTranslinkは2020年から2021年にかけて最悪な場合約2兆円の赤字になると発表したほどです。
ここまで明らかに厳しい対策と対人距離を保っているカナダと、ゆる~い日本。
なのにこんなに被害の差が出ています!アメリカも入れて表にまとめてみました(6月28日時点)
カナダ🇨🇦 | アメリカ🇺🇸 | 日本🇯🇵 | |
---|---|---|---|
検査数 | 2778,642 | 31,998,024 | 450,830 |
感染者数 | 103,032 | 25,96,537 | 18,297 |
死亡者数 | 8,516 | 128,152 | 971 |
死亡率 | 8.3% | 4.9% | 5.3% |
感染者数/100万人 | 2,719 | 7,845 | 145 |
死亡者数/100万人 | 756 | 4,190 | 7 |
人口 | 36,718,447 | 324,658,000 | 126,180,643 |
人口密度 | 3.7 | 32.7 | 336 |
はい、ビックリですね、いろいろ。ツッコミどころ満載です。
まずやっぱり人口も人口密度も違う国同士を比較するのに感染者の数を単純に比べるより、100万人に対しての数字を比べるべきだと思ったので比べてみました。
やっぱり感染者も死者数も全然違いますね。もちろん日本の検査数はカナダの6分の1ぐらいなのでそういう理由は少しだけありそうですね。
でも
それをもってしても人口密度の差が!日本はカナダの約100倍の人口密度です。めちゃくちゃ人が「密」ってことです。
さらに言えば日本の高齢化社会は世界一。4人のうち1人は65歳以上です。
それでいてここまで新型コロナを抑え込めているという事実が世界中から注目されています。
もはやミステリーレベルです
世界の視点から見た「おそらくこういう理由で日本は感染を抑えられている」というものが
- 日本人はほぼ全員マスクをしているから
- 日本人の公衆衛生に対するきれいレベルが世界屈指だから
- 握手、ハグ、キスを挨拶としてする文化がないから
- 家の中で靴を履かないから
などが理由として予想されていますが、そんなことだけではここまで抑え込めないだろう〜とも言われてます。
なので本当のところは未だに謎に包まれたままですが、これらの可能性が多くの人に知れ渡った後なんとカナダ政府がマスクに対しての主張を覆しました。
それまでマスクは意味がない。むしろ逆効果という主張をしまくっていたカナダが急に「マスクをしましょう」って言い出したんです。
今さら!?( ゚д゚)
個人的な意見ですけどイラっとしました。政府やWHOががマスクするなって言ってた時から自分はずっとマスクしてましたが、こんなに被害が拡大した後でこの方向展開。もっと早く言ってくれてたら犠牲になる人はもしかしたら少なかったかも…と思うと悔しいですね。
日本での公衆衛生レベルは本当に高くて世界中どこに行っても日本よりキレイな国はなかなかないです。
あれだけの人口と人口密度でこの公衆衛星を保ち、かつ法的措置を取らず自粛要請のみでも国民が足並みを揃えられる文化。
世界はそんな日本に拍手喝采、大注目しています。
このまま日本もカナダも、世界中が新型コロナの抑え込みになんとか対応できることを祈りたいですね。