こんにちは、さずです。
今回は
美容師としての日本とカナダの働き方の違い
についてです。
カナダで美容師をしてもう10年が経ったので日本の美容室で働くのってどんな感じだったっけ?といろいろ忘れかけていますが、海外で美容師をしてみようかな、どうしようかなと悩んでいる人の為に一体日本で働くのとは何が違うのか考えてみました。
まず一番大きな違いだと思われるのは
アシスタントがおらず一人のお客様を一人の美容師が最後まで担当すること
でしょうか。
日本でもアシスタントがいない美容室はあると思うのですが、こっちではアシスタントがいる事自体めちゃくちゃ稀です。
その理由として考えられるのがこちらではサロンで「スタイリストを育てる」という考え方はなく美容学校を卒業したらアシスタントではなくすぐに一人前の美容師としてお客様を担当するということ。
ちなみにカナダの美容学校は長いところで1年間で週4日の授業のみ。日本の週5の2年間の学校に比べるとかなり短く、この後すぐスタイリストになってお客様の髪を切ると思うとめちゃくちゃ恐いですが。。
もう一つ考えられる理由としては
チップ制度
です。
北米ではサービスに対して払うチップ制度があり、アシスタントがいると基本的にお客様はアシスタントの子に対してもチップを払う事が推奨されます。
例えばマッサージやフェイシャルなど二人がかりではやってもらいませんよね?それと同じ考えで北米では一人のお客様に一人のスタッフ、というのが普通です。
来店からお店を出るまで一対一なので、日本で働いていた時に比べてお客様との距離が近くなりやすいように感じます。長年担当しているお客様とはもはやほぼ友達。その分楽しく仕事ができます。
ちなみにチップは100%自分でもらえる美容室が多いと思います。
まだカナダに来たてで働き始めの頃はお給料もかなり少なかったのですが、私はこのチップだけで家賃を払うことができていました。(当時は家をシェアして住んでいたのでめちゃくちゃ安い家賃でした)
本当にチップ様様です。
接客業はチップがもらえるので安い給料でもなんとかなる事が多いです。
仮に美容師をしなくて日本食レストランで働いたとしてもチップがもらえるので食いっぱぐれることはありません。むしろワーホリで日本食屋さんで働いていた友達の方が給料もチップも私の倍近くもらっていました。
カナダでのチップ率は大体15%〜20%ほど。
カットが$50だとすると$7.5〜$10ほどのチップを別でいただける(かも)といったところ。
ただもちろん義務ではないのでサービスが良くなかったとか何かが気に入らなかったとか理由があれば極端に低いチップや全くもらえない可能性だってあります。
逆に言えば自分がいい接客をすればその分いいチップがもらえるかもしれない、と頑張り甲斐のある要素でもありますね。
チップはバーでビールを注いでもらっただけでも10分タクシーに乗っただけでも、特に接客受けたっけ?と思うような時にも払うので、これはもうサービスというよりかは文化の一つです。
最初はチップ制度に慣れなくてうまく払えませんでしたが、自分がチップで助かっているということを思えば助け合いとして払うのは当然。
次にお給料についてですが、こちらは基本的にコミッション(歩合)のみのお店が多いです。
ワーホリを雇うサロンでは時給で支払うところもありますが、大体コミッションでもらう方が時給よりもいいのでお客様がある程度付いてきたら歩合のみになるサロンが多いと思います。
歩合のみということはお客様が来なければ給料ゼロです。基本給もないので結構サバイバルっちゃサバイバルですが、その分頑張り甲斐はありますね。当たり前ですがお客様を取れば取るほど稼げます。
他にもらえるお金としては有給休暇があります。
日本は有給ってあってないようなものなんだと思いますが、カナダでは有給休暇分のお金を雇い主が従業員に支払わなければいけないと法律で決まっています。休暇を取っても取らなくてもお金は支払わないといけないんです。
この額は前年の年収の4%が1日分として計算されます。
例えば去年の年収が$40,000の場合、1日分として$160を有給休暇の日数分(大体2週間〜3週間)もらう権利があります。
今の日本の美容室がどういうお給料体制なのか分かりませんが、私が日本で働いていた時は有給なんてもらったことありませんでした。
カナダに来て有給休暇がもらえるとは思ってもなかったので棚ボタでした。
ちなみにカナディアンは基本的に一生懸命働かないので(失礼)、みんな年間3週間かそれ以上有給を使ってバケーションに行きまくっています。
かくいう私も一時帰国は毎回3週間以上。
旅好きの私はそれ以外にも少なくとも年2回は日本以外の国に海外旅行に行っていました。(有給でないですが、普通に休みを取って)
毎回一時帰国の度に3週間も滞在することに家族も友達もみんなびっくり。そう、休めちゃうんです。
これがあるからカナダをやめられない。。日本に帰ってまた働いたら今みたいに休み取れないしなぁ。。と思う度に思い悩み、永久帰国するタイミングを逃しました。
もう一つ大きな違いは
定時で帰れる
こと。
働く時間が決まっている店ではその時間になればすぐに帰れます。
日本では練習会やらミーティングやら講習やら何かと理由をつけて残らないといけないことだらけでしたが、こっちではそういう事は基本的にありません。もしあったとしたらみんなブーブー文句を言います。
こっちの人はみんな主張が強いので「残らないといけないならその分の時給払え」とか「もっと給料上げろ」とか平気でオーナーに訴えます。日本ではなかなか考えられないですよね(汗)。
なのでミーティングや講習はほとんど朝の営業時間が始まる時間に1時間なり2時間なりお客様を取らずに営業時間を削ってやることがほとんどです。
カナダで働くようになってこれが一番うれしい違いでした。
日本では朝から晩まで12時間以上働いた後でも定時で帰れる事はほぼなく、帰る頃には深夜を回っていたことなんてザラ。
それが嫌でこっちに来たようなもんです。
しかもカナダの夏は夜10時まで外が明るくて、7時に仕事が終わった後に食べ物や飲み物を持ってビーチに繰り出す、なんてこともできちゃうんです。
これもサイコーポイントでした。
カナダでは自分の時間と仕事の時間がはっきりと分かれていて、みんな自分の自由な時間を楽しむために働いている、という感じですね。
これは美容師の仕事ではなく一般的な仕事の事例ですが、基本的にみんな頼まれた仕事以上のことはしない、サービス残業なんてもってのほか。掃除すら頼まないと絶対にしません(頼んでもしてくれないことも多い)
日本は頼まれた仕事以上のことを求められる文化なので働く側は超大変。プレッシャーが強いですよね。
でもその分キチキチしていて仕事がキレイ。
最近は日本もようやく働き方改革が叫ばれているみたいので、私がいた10年前よりはきっと状況が良くなっているんでしょうね…?
ともあれ、どちらの国にもいいところと悪いところがありますが、私はカナダで美容師するの大好きです。
もちろん大変なこと山ほどありますが(こちらの記事を参考にどうぞ)
https://sazzlog.com/kaigai-biyoushi/(opens in a new tab)
働き方は日本で働くよりカナダの方が100倍いいと思っています。
大体決まった時間に帰って自分の時間があるってすごく平凡ですけど本当に幸せを感じる瞬間です。
今はコロナで海外に出たくても出れない時ですが、いつかカナダで美容師をしたいと思っている人の今後の参考になれば幸いです。
カナダめちゃくちゃ地味ですがとってもいい国ですよ〜!
それではまた〜
こちらカナダのオンラインブランドショップです。超オススメです。