1日目の夕方から2日目の午後まで降り続いた雨のせいで、朝から(というか昨日の夜から)びしょ濡れのテントにこもりっぱなしだった私たちの我慢が限界を迎える頃、空気を読んでくれたかのように午後になってようやく雨が止みました。
予定を変更してディバイドレイクキャンプグラウンドに行かず、二日目もグリズリーレイクに泊まることになった私たちは、こんなのんびり午後からでもできる日帰りトレイルの一つ、Twin Lake Trailに行ってみることに。
このトレイルもマウントモノリスの切り立った絶景が拝める場所として知られていて、パークレンジャーも、もう一泊ここにいるならツインレイクに行ってきなよ~と私たちにオススメしてきてくれたトレイルです。(パークレンジャー曰く簡単なトレイル)
トレイルがスタートするところはキャンプグラウンドのトイレの横から伸びている小道。
そこをまっすぐ進むと、はい出ました、早速岩です。でもここの岩は苔もないし滑らないので歩くのには特に苦労しませんでした。
傾斜はいつも通り結構あります。
スタートから40分ぐらいで小さな湖に出くわします。湖というかおっきな水たまりレベルの大きさですが、意外と絶景。
一瞬「もしやここがゴール!?」とぬか喜びしそうになるんですが、全然ゴールではありません。
名無しレイクです。
たまたまできただけなのか誰かが意図的に作ってくれたのかちょっとおしゃれな岩のベンチが置いてあって、ゴツゴツした岩肌が剥き出しのトゥームストーンらしい黒岩をバックにちょっとした休憩所ですね。
湖から湧き出た川も流れています。
この休憩所を横目にさらにさらに登っていきます。
この辺は普通の道。
ここを登りきると見渡す限り岩。
ここから行く先を見るとてっぺんに人が二人立っているのが遠目で見えます。
あそこまで行きます。怖っ。
この辺りが開けた場所になっていて、他のハイカー達が休憩していたのですが、ここから先は道も細くなる上に岩だらけ。さらには標高が急に上がるので怖すぎて行けない。行くのを諦めて下に戻る、とのこと。
え、そんなにヤバイの?((((;゚Д゚)))))))
と、ここで向かいの山にテッテッテーと登っていく真っ白いマウンテンゴートを遠目に発見。
※ウィキペディアより。
きっと近くで見たらこんな感じ。遠すぎて色とシルエットしか確認できませんでしたが。
かなり細くなっている道が断崖絶壁と聞くと、この先進むのがちょっと怖くなりましたが、まだゴールのツインレイクを全く拝めていないので、どう考えても進むしかない!ということで意を決して進みます。
ちなみにここまで上に上がってくると気温も下がり始めました。体感的にはおそらく0度ぐらい。
気づけば背後がもう絶景になってました。
まるで絵のような山脈。
そして横を見ても絶景。
でもここからはウワサ通り傾斜もさらにキツくなって、ランブリングという岩を手で掴んで登るスタイルで登っていきます。
岩ゴツゴツのすぐ横は崖になっていて、足を踏み外したら本当に身体全部落ちてしまうような道。
しかも岩がもろく、不安定なので、足を乗せた瞬間にごろっと岩が崖に崩れ落ちる映画のようなシーンが何度も起きました。
そして下を見ない方がいいぐらい標高が高いので高所恐怖症の方は結構厳しいかもしれません。
こちらGOプロの広角カメラから見た図。傾斜はかなり急で山の稜線を登ってきたのが分かります。
すでに雪が。
この時点でスタートしてすでに2時間半。
パークレンジャーの話だと往復4時間ぐらいとのことでしたがまたもや彼らのスタンダードからあぶれました。
本当に今回つくづく思うのは、トレイルの情報が全てバックカントリーハイクに精通してる玄人向けだと言うこと!(怒)
行く人が少なすぎてネットに載っている情報自体少ないんですが、そこにある情報がプロ用と言うか、アウトドアばりばりこなしてる人向けと言うか…。こんなところに来ること自体そういう人しか来ないんでしょうけども。私が例外なのは分かっているのですけども。
なんせユーコン準州が運営してるオフィシャルウェブサイトによるとこのトレイルは往復3時間の”中級”レベルのトレイルなんです。
何が往復3時間じゃボケェ〜!
まだゴールも見えてないのにすでに2時間半じゃ!
本当に素人に優しくないユーコンのバックカントリーを楽しみながら、私は私のブログでみんなに真実を伝えようと心に決めたのでした。
怒りをあらわにブツブツ文句を言いながら登っているとすでにかなりの高台に到達。
このあたりの標高は1800メートルほど。
スタート地点の標高が1300メートルなんですが、このトレイル自体片道2キロちょっとしかないんです。ということは2キロの距離で500メートルの高低差。短い距離で500メートルはかなりの傾斜を表しています。
いつも行くようなハイキングだと傾斜が割とあるようなところでも7、8キロの間に500メートルの高低差ぐらいでしょうか。
しかしここまで来るとゴールはもう目の前。
誘われるように最後の雪道を登っていきます。
見えました!
ついに左側にツインレイクなる二つのレイクを発見!
ついに頂上と思われる場所に着きました!
でもレイクなんかよりもこのマウントモノリスのギザギザと尖った感じがかっこよすぎて…。
(なんとツインレイクの写真は撮り忘れています)
この灰色の重い空と三角の黒い山々が世界の終わりを感じさせると言うか、何度も同じ言葉を使いますが、エンマ様がいてもおかしくないような、この世のものとは思えないような空気感。
そして他に誰もいないし、なんの音も聞こえないんです。
めちゃくちゃ怖いですよ。でも同時にめちゃくちゃ心が洗われます。
おかみも、このトレイルはグリズリーレイクパスよりもずっと難易度が高くて登りがいのあるトレイルだったと認めるほどで、私にとったらかなり大変で恐ろしい道のりだし、頂上はマイナス10度だし、岩掴んで登らないとだし、かなりエクストリームでしたが、
本当に来てよかった!
マウントモノリスがこんなにもカッコいいものだなんてここに来なかったら知らないままだったし、9月の始めに雪に降られたのも初めての経験です。(頂上は雪がちらついていました)
雪が本格的に降り始めたので、ということは下は雨と判断し、早めに山を降りることに。
帰りの山下りの方が傾斜がきついときは行きよりも大変なので皆さん行く際は本当に注意して下りてくださいね。
キャンプグラウンドに戻れたのは6時過ぎ。
頂上での滞在時間も含め結局往復5時間弱かかりました。
ツインレイクトレイルまとめ
グリズリーキャンプグラウンドから | トイレから横に伸びてる道をまっすぐ |
コース全長 | 往復5キロ |
コース所要時間 | 往復3時間から5時間 |
高低差 | 500メートル(短い距離で急激な傾斜) |
難易度 | 中級から上級(難易度大だと私は思います) |
天気 | 全てあり。特に頂上は夏でも雪降ります。 |
グリズリーレイクキャンプグラウンドに一泊する人にはオススメのデイハイクトレイルです。
お金払ってでも行く価値アリ!
岩がゴツゴツのボロボロなので怪我だけはしないように気をつけてください。
それではまた〜