思ってたんと違う
アシスタントから念願のスタイリストになれたものの相変わらず営業後は毎日自分の練習か後輩の練習の指導、それがなければミーティング、講習会その他諸々。。全くもって早く帰れることはなく帰りは毎日深夜。クタクタの身体に夜ご飯(って言っても深夜なんですけど)を10分でかっこみ、シャワーを浴びて急いで布団に入るという生活。美容師になったらアロマ焚いてお風呂で半身浴して脚をオイルでマッサージして〜というどっかのCMで見たような生活とはまるでかけ離れていました。
休みは週1のみで夏休みは5日だけ。大好きな海外旅行は3泊5日が限界なので自ずとアジア限定。それでもその5日間の非日常感が特別すぎて、この瞬間の為に仕事を頑張っていたと言っても過言ではありませんでした。
毎年一度の海外旅行から日本に戻って来るたびに「あ〜もっと長く滞在したかった」「こんなに短い滞在でこの国に行ったことがあるって言えるのかな?」「行ってタッチしただけでこの国のことは何も見てない気がする」
こんな気持ちが芽生え始めました。
ある日の朝(というか多分毎朝)満員電車に揺られて出勤している時にまたふと、神が降りてきて「日本でこんなぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られてストレスフルな生活してるだけで人生終わっていいのか。。」
元々定時で終わって今日は早く帰ろう!と思っていても自分より上の人が残っていたら帰れないという暗黙の了解みたいな無駄なルールが大っ嫌いだった私は、溢れ出る日本社会への不満を理由にして、思い立ちました。
そうだ!海外に住もう!
その日の夜早速知人から譲り受けたばっかりのパソコンで海外の美容師求人を検索。アジア圏は結構求人出て来るんですが、私のターゲットはもっぱら英語圏。(なぜなら英語を勉強したかったから。単純に英語喋れたらかっこいいと思ったから。)ただ英語圏の求人はビザ取得があまり容易でないこともあって当時はほとんどありませんでした。あってもビザは自分でなんとかしてください的なグレーラインの求人ばかり。私が本命で狙っていたのはニューヨークなんですがニューヨークなんて美容師の憧れの中の憧れで、お給料はいらないからインターンで雇ってくださいっていう日本人の美容師が溢れかえってるような場所なんですよね。
お金第一の私はもちろんそんなことできません。(これは冗談ですけど)
そこで目をつけたのがカナダのワーキングホリデーシステム。
カナダなんてこれっぽっちも興味なかったんですが、アメリカとカナダはとても近いので、もしなんかの幸運なことが起きてアメリカに移住できるチャンスが来るかもしれないと睨んだ私はとりあえずお試しでカナダに行ってみることに。
かと言ってカナダみたいななんのイメージも思い入れもない国に長く滞在する予定ははなっからなかったので本当に全く何の下調べもせず、現金10万円と3万円のトラベラーズチェック(時代を感じますねぇ)だけを握りしめてカナダに飛びました。
お恥ずかしい話ですが本当になんの予備知識もないままカナダに来て、現地で初めてカナダの物価の高さを知り愕然。というか青ざめました。
持って来た10万円のうち8万5千円ほどが最初の月のアパートの家賃+デポジット+テイクオーバー(自分の前に住んでいた人から引き継ぐ家具などの購入費用)で一瞬で飛んだんです。10万しか持って来なかった常識知らずがおバカなだけなんですが、当時はかなり焦りました。
なんてったって本当は語学学校にも通いたかったし、カナダの他の都市も周ってどの都市に住むか決ーめよ♪なんて悠長なことを考えていたんです、このおバカは。
実際のところカナダの語学学校は1ヶ月平均10万円ほど。
カナダの国内線は行き先や時期にもよりますが、バンクーバー⇄トロント往復で大体6、7万円。日本のLCCを想像していた私にはノックダウン級のパンチ。
航空券が買えないと分かった私は仕方なく他の都市行きを諦め、そのままバンクーバーに滞在することに。本当に仕方なくです。というのもバンクーバーはアジア人がかなり多く、自分が思い描いていた”外国”のイメージからはかけ離れていたんです。こう聞くとかなりアジア人差別の人間ですが。。当時はそんな差別とかいう意識すらなかったです。ピュアに外国=外人=金髪みたいなイメージを持っていました。
まぁそれは置いといて残高が1万5千円しかないことに焦った私はすぐに仕事を探し始めます。(もちろん語学学校行きも諦めて。。涙)
ありがたいことに美容師という職業はどの店も大体常に求人募集を出していて面接すればしただけ受かり、どの店からも明日から来れます?というオファーをいただけました。
そのうち家から徒歩30秒足らずの立地にあった美容室で働くことに決め、文字通り次の日から働き始めました。
あの日から10年
本当に早いもので、カナダで働き始めて丸10年が経ちました。
7年半勤めた美容室を辞め、今は他の美容室で働いていますが、カナダで働くってサイコーです。
日本で胃をキリキリさせながら働いていた時とは比べものにならないほどストレスフリーです。
10年前にカナダで働き始めた時はまだ外が明るいうちに家に帰れることが非日常過ぎて、何をしていいのか分からず戸惑い果て、逆に鬱になりそうでした笑
今ではどうやったらもっと早く帰れるか模索するぐらいですけど。
こんな私がブログを始めました。
始めた理由は
- 1. カナダ在住10年の節目に自分の今生きている証しを残したいから
- 2. ここ2、3年自分が考えてること、言いたいことが言葉で出て来なくなったから
- 3. 日本以外の世界に興味はあるけどなかなか踏み切れない人の為に少しでも役に立つ情報を発信できたら、と思ったから
まず理由1の在住10年はそのままです。ついでに言えば2020年は何かするぞ!と1月1日に心に決めていたのでそれも理由になりますかねぇ。
理由2は、なぜか最近自分が考えていることというか感情があまり自分で認識できないことが多々ありまして。
自分がどうしたいか、どう思ったのか、何をどう相手に伝えたかったのかなど、海外にいたら日本にいた時よりもきちんと表現しないといけない場面があるのですが、英語だからとかではなく、日本語でもなんでかその答えが出て来ない。
むしろ日本でアシスタントをしてた時の方が自分より立場が上のスタイリストに噛み付いたりしてはっきり自己表現が出来ていた気がします。(するべきじゃないし、後悔してますけど。)
言葉で表現できないどころか、今まで文章を書いたこともないのにブログでうまく物事を伝えられるかも分かりませんが、書いていくことによって少しずつでも自己表現ができるようになってったらいいな、という願いを込めています。
なんでも続けることが大事ですからね。
理由3は、過去の私みたいに職場と家の往復だけが人生の人や、海外生活を知りたい人、海外で働く美容師の仕事のことなど、少しでも誰かの役にたてたらいいなと思っています。
全く癒しキャラではないですが、ブログを通して誰かの役に立てるよう、自分のことも好きになれるよう、発信していきます。
頑張って更新するのでよかったらまた見に来てください!