トゥームストーンバックパッキング ➁

ここまで4時間弱傾斜のある道を歩き続けて来たというのにまだ半分にも到達してないという落胆にも近いショック。そしてさらに4時間も歩かなければいけないという鈍器で殴られたかのような衝撃的なニュース。

その事実だけ告げると颯爽と去っていったお姉さん。5分後には豆粒ほどの大きさに消えていきました…。

お姉さん、アンタすごいよ。この鬼ほどの傾斜の砂利道をそんな速さで…。

何百回と往復してるから〜って言ってましたけどそれにしても速い…。

おかみ曰く、こういうパークレンジャーはユーコン準州の下で雇われているいわば公務員みたいな扱い。

めちゃくちゃお給料いいらしいです。ただ月の半分ぐらいはキャンプしながらパークにいるから、お金の使いようがないってウワサですが。

まぁそんなことよりも自分の心配です。ここからまた4時間頑張らなければ。

ここからの道なりは30分から1時間歩くごとにステージがみるみる変わりました。

まずは引き続きゴツゴツした岩エリア。全然フツーの山のハイキングとは別物です。

この不安定な岩エリアが終わると傾斜がだいぶ緩やかになったトレイルに。

と思ったら次に現れたのは瓦礫のような平たい岩エリア。

海鮮大好きな食いしん坊はこの薄い岩が牡蠣の殻に見えて仕方がなかったです。。

踏むとカランカラン音を立てるこの岩はピンク色をしていて、自然しかないこんな山の中の色にしては不自然というか不思議な雰囲気を醸し出していました。

ピンク岩エリアが終わると次はまた男っぽいゴツゴツ岩エリアに突入。

周りに誰もいないので時々怖くなります
一面霧の中傾斜の強い岩山を登るのがヤバいと言っています

こんなに岩エリアが多いなんて本当に聞いてないよー(泣)

文句ばかり言ってすみません…。

もちろんここまで来れて、実際に歩くことができて楽しいし、嬉しいんですが、気づいたことが一つあって、それはネットに載っているトゥームストーンの情報が全てバックカントリーばりばりやってるであろう人たちの基準で書かれた情報ということ。

公式にも難易度はDifficultではあるんですが、バンクーバーのハイキングのDifficultとはレベルが違いすぎます。

なんせバックカントリーなんで道じゃない所を歩くこと自体ハイキングとは違うんですが!が!

こんなに岩だらけなんて誰一人書いてなかったし、大概のレビューはVery nice and beautiful hike!とかしか書かれてなかったんです(怒)。

当然おかみも山のプロなんで「大丈夫大丈夫絶対大丈夫だよ〜」としか言ってくれなかった(おかみを責める訳ではないです、自分が初めてであまちゃんなだけです)

なので、ここはバックカントリー初心者の私の情報が誰かのためになってくれるなら!と思って今回は写真多めに載せております。

さて、文句が一通り終わったところで次は違う色の岩エリアへと侵入。

この辺の岩はオレンジと緑、水色のコンビネーションで配色が私好み。

目の前が全部この岩のみなのでどう考えてもここを歩かないといけません。

これがなかなかテクニックを要するんです…。

岩は大きいものでも不安定だとグラグラするので、体重を乗せた瞬間に傾いたりします。

ましてや霧雨が降り続いてる中は岩の上はかなり滑るので本当に怖かった。というか実際何度も転びました。

この時ばかりはハイキングポールを地面に刺してバランスを取ることができないので、バックパックの重みに引っ張られるのと足元が滑るので後ろに横にあらゆる方向に倒れました…。

やっとこ岩が終わりました。今度は普通のトレイルエリア。

と思ったらまた岩(怒怒)

岩の上に苔が生えてて本当に滑る…

岩が終わったと思えばまた岩の繰り返し。

自分には暑い日の汗ダラダラ修行よりも岩を歩く訓練が必要でした。

最初は岩の上歩く方が傾斜より楽でしょって思ってたんですが、重い荷物を持って不安定な足場の岩の上(コケ付き)を歩くのは想像以上に大変でした。

この辺は故郷宮城蔵王のお釜を彷彿とさせます。カルデラっていうんですかね。

ぽっかり窪んだ凹みは巨大な隕石でも落ちた痕のように見えました。

スタートから歩き続けて早6時間。

ついにグレズリーレイクがお目見えしました!!!!

あの奥に見えるおっきな水たまりがグリズリーレイク!
気づけば高い木はもう一本もありません。寒すぎて自生できないそう。

うれしい~!ここまで来ればもう近いんじゃないの~!?

二人で盛り上がります。

でも実際はここからが長かったんです。

グリズリーレイクが見えるようになって、目視ではあと45分ぐらいの距離かな〜なんて言ってたんですが、実際はここから2時間以上かかりました…。

レイクに近づくにつれてツンドラ帯がどんどん広がっていきます。

8月の終わりから9月の最初はこのツンドラが黄色く(場所によっては赤く)色づく時期。

私たちが行った時期も紅葉のドンピシャで、日が差した時なんて、辺り一面絨毯のように見え、そりゃもうこの世のものとは思えないほどキレイでした。

実際はもっとキレイです!

さて、岩問題に戻ります。

この辺の岩が今まで以上に大きな岩で、大きいのにぐらつく厄介な岩。

ポールが逆に足を引っ張るのでここはポールをバックパックに引っ掛けて手を使えるようにする方がバランスが取れてオススメ。

こんなに大きな岩を登っていきます

この辺りは小動物たちの住処になっていて、マーモット、ピカ(ネズミみたいなウサギ)、プレーリードッグ、雷鳥などに遭遇。

こちらマーモット

キャンプ場に近づくにつれて小川が出現。なんとこの川も渡らないといけないんです。(橋無し)

岩から岩へ軽くジャンプして歩くんですが、そりゃ滑りますよ…。ここでだけは転びたくないと必死にバランスを取って耐える私。

諦めてズブズブ川を歩いちゃえば安全なのかもしれませんが、濡れたくないの一心で死ぬ気でなんとか渡りきりました…。

この川を渡るとそこはもうキャンプ場入り口!!!

ゴールまでの一本道

ついにこの瞬間がー!!!

ゴール~!

グレズリーレイクトレイルまとめ

ホワイトホースから車で8時間ぐらい
コース全長12キロ
コース所要時間6時間から10時間(ユーコン準州サイトより)
高低差797m
難易度上級者向け(難易度大)
天気8時間の間に晴れ、曇り、雨、雪、ひょう全てアリ

まず普段私がやっているハイキングとは全然別物なので、いつもバックカントリーをやっている方からしたらもしかしたらフツーの難易度なのかもしれません。

私には過去イチ過酷なトレイルでしたが…。

ただ

本当に景色がサイコー

天気さえ良ければ本当にオススメです。

最終的にゴールするのに8時間も歩き続けましたが、その価値ばりばりあると言い切れるほど素晴らしい景色です。

次はグリズリーキャンプグラウンドでのキャンプとそこから日帰りで行けるハイキング(まだ歩くんかい)について詳しく書いてみます〜 それではまた〜

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